京王堀之内駅からすぐ近くのクリニックモールには、内科や小児科、耳鼻咽喉科などさまざまな診療科と調剤薬局が入っており、共通診察券で診察を受けることが可能。かかりつけにして通うのに適した複合施設となっている。「フォーユーデンタルクリニック」は2011年3月にその一角でオープンし、実体顕微鏡やレーザーなどの最新の設備を取りそろえ、一般診療からインプラント、矯正やホワイトニングなど幅広い分野の歯の悩みに応えてくれる。院内にはベビーカーのまま入ることができ、診察室も個室になっているので、子ども連れの患者も気を遣わずに受診が可能だ。また、不安を感じないようにと治療前のカウンセリングを重視しており、期間や金額に納得してからの診療を施してもらえる。院長を務める会田弘敏先生は、医療機器のメーカーに勤務したことがきっかけで歯科医師を志すようになったという熱意のあるドクター。ユーモアを交えながら気さくに話してくれ、なんでも気軽に話せる優しさと歯科の仕事に対しての厳しさを持つ人物でもある。そんな会田先生に、歯科医師になったきっかけやこれからのクリニックの方針について詳しく話を伺った。
(取材日2014年8月8日)
八王子で育ったのですが、少年野球チームでは4番ピッチャーキャプテンでしたし、中学時代は軟式テニスで高校の推薦をもらったこともあります。小学校から大学まで体育の成績は優以外とったことがありませんから、運動は得意でした(笑)。ただ、腎炎を患って3回ほど入院し、その後も週に1〜2回は通院をしていたんです。そういうこともあって病院が身近な存在だったということと、医療に助けられたという気持ちから、漠然と将来は医療関係に進みたいと思っていましたね。早稲田大学理工学部機械工学科を卒業し、医療機器メーカーで商品開発をやっていました。自分でつくった機器を医師の方と相談しながら改良していくのですが、とてもやりがいがありました。しかし、もっと違う形で医療の仕事がしたいと思うようになったんですよね。医師の仕事が輝いてみえたし、もっと患者さんとダイレクトに付き合いたいなと。それで一念発起し、会社をやめて受験勉強を始めました。かつて、かかりつけの歯科医院から大学病院を紹介され、歯根のう胞の手術をうけたこともあり、九州歯科大学に入学したんです。大学での勉強は予想以上にやりがいがあって面白く、本気で取り組みました。解剖学を熱心にやり、九州歯科学会で発表したりしました。正直、それまで生活していた東京が一番住みやすいと思っていたのですが、福岡の北九州市に住んでみて考え方が変わりましたね。とても住みやすく楽しかったです。今では第二のふるさとだと思っていますよ。
サラリーマン時代から付き合っていた今の妻と歯科大学の1年生のときに学生結婚をしました。学生時代の生活を経済面でも支えてくれたので、今でも頭が上がりません(笑)。その妻の実家のお父さんから、卒業後は東京に戻ってきてほしいとの要望もあり、千葉のあさひ市にある医療施設で働きました。ユニットが13台ほどあり、ドクターも6人いるかなり大きな施設でしたね。大学の先輩である院長と院長の奥様から、厳しくも丁寧に指導されました。小さな子どもからお年寄りまで、性格も様々な患者さんが来て、多くの患者さんを治療することができましたので、どんな患者さん相手でも大丈夫になりました(笑)。とても感謝しています。
歯科医院って靴を脱ぐところが多いかと思うんですが、当院は土足で入れるようにしていて、ベビーカーもそのまま入れるようになっています。というのに加えて治療室が個室なので、泣いてしまうお子さんがいる場合なども周りを気にしなくて大丈夫です。だから、子ども連れのお母さんも通いやすいんじゃないですかね。また、最新の設備もそろえるようにしています。実体顕微鏡や血圧計もありますし、ユニットの前や上に大きなモニターがあって、CGの映像で治療の説明をすることもあります。あとは、当院が入っているビル自体がクリニックモールなので、その中で共通の診察券が使えるということですかね。内科に行ったあとに、当院に来ることも可能です。他にも、歯科の麻酔で具合が悪くなった場合は、すぐに隣の病院から内科の先生が来てくれたり、医院同士が連携できるのもいい所だと思いますね。
初診時に、まずカウンセリングルームでスタッフにお話していただいてから治療に入るようにしています。医師には話しにくいこととか、他の歯科での不満などスタッフになら話しやすいこともありますから(笑)。また、積極的に初診と急患の患者さんはお受けするようにしています。困っている時に頼りになるクリニックでありたいですし、当院はドクターの人数が多い故にできることなのではという思いがありますね。あとは、歯科って怖いドクターが多いと思うんですよ(笑)。なので、私はスタッフにも決して怒鳴りませんし、たとえ注意する時でも、言い方を考えたり、診療後に話すようにしています。みんなが言いたいことを言い合えて、柔らかい感じの良い雰囲気でありたいと思いますね。
子どもとお母さん、そういったご家族の一般診療と審美治療が多く、矯正は矯正専門の先生が月に1回、インプラントは理事長が来て治療しています。幅広い年齢層の方に来ていただいていますが、八王子辺りは、優しいお母さんが多いと思いますね。というのも小さな子どもの治療に協力的で助かっているんです(笑)。印象に残っている患者さんだと、虫歯を放っておいたために、前歯が無くて奥歯も抜かなくちゃいけない、噛み合わせも崩壊している人がいましたね。そういう患者さんの口内が、どんどんキレイになっていくのは見ていて嬉しいですよ。あと、最近の患者さんで多いのが歯科恐怖症の方ですね。40〜50代の人に多く、きっと今までのトラウマがあるんでしょうね。そういう患者さんには、笑気ガスを使って恐怖を和らげるように工夫をしています。歯科恐怖症の人が来てくれるってことは、当院は来やすいのかなと嬉しく思っています(笑)。
予防歯科ですね。歯科の治療というのは、結局はそこに行き着くと思っています。治療をしないに越したことはありませんし、神経を取るような場合は来院回数も増えてしまうので、早めに処置できれば何よりですから。なので 3ヵ月に1度は定期検診に通ってくれればなと思います。歯が抜ける原因は歯周病ですので、そうならないように口の中の環境を維持していくことが大事ですよ。特に、お子さんには虫歯を防ぐために、30分の時間をかけてブラッシングなどを指導しています。月に一度来てもらって、ブラッシングが上手になるまで指導します。定期的に通ってくれることで、ブラッシングへのモチベーションが上がりますし、歯への意識が高まると思います。
最新の技術に対応できるよう日々勉強しながら、患者さんへの対応もして、みなさんに笑顔になってほしいなと思っています。正直なところ、必ずしも最新の治療が良いとは思っていないんです。良いと言われているものが実はあまり良くないこともありますからね。しっかり勉強会に参加して、取り入れるべきか否かを考えることも大事です。そのうえで患者さんにリスクを説明し、施術をできるようにしていきたいなと思いますね。また、当院は今年で開院3年目を迎えましたが、オープンしたての頃は、スタッフが足りなくて大変でした。私が予約を取りにいったり、カウンセリングをしたり、すべてやっていましたね(笑)。まだ正直スタッフは足りないと思っていますが、今後は若いドクターを育てていきたいと思っています。クリニックを大きくしていければとも思っていますからね。歯の健康を通じて、多くの患者さんの幸せに貢献したいです。
本を読むのが好きなので読書をしたり、家族と過ごすことが多いです。子どもと一緒に広場に行ったり、虫を採ったりするのが幸せな時間ですね(笑)。今後成長していくと一緒に遊べる時間も少なくなると思うので、一緒に過ごせる時間を大切にしています。
先程も述べましたが、当院には私以外に常勤のドクターが3人いて、スタッフの人数も多いのでスムーズに対応ができます。また、歯科が嫌いで泣く子どももたくさんいると思うんですが、個室診療なので気にしないで大丈夫ですからいつでも気軽に来てくださいね。